生理検査の紹介 ~超音波編~

お仕事

こんにちは!

連続で記事を投稿しています。今度は超音波検査の紹介です♪超音波検査はエコー検査とも呼ばれます。

私は検査技師1年目に心電図室業務を行っていましたが、次年度からはエコー室に配属され、主に心臓のエコー検査を行っています。

今は血管エコーと腹部エコーを研修中です(*´ω`*)

心臓超音波検査

<検査の目的>

心臓の動き・大きさ・血流を直接観察することで、心臓疾患の有無を発見する。

<検査方法>

胸部を出してもらい、左側臥位で寝てもらう。胸部に超音波を当てて心臓を観察する。各心腔径を測ったり、心臓の壁運動を観察したりする。また血流を見るカラーモードで心腔内の逆流や異常血流の有無を見たり、血流速度を計測したりする。

<検査でわかること>

心臓弁膜症(大動脈弁狭窄症・僧帽弁閉鎖不全症など)、心筋症(肥大型心筋症・拡張型心筋症など)、虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症など)、先天性心疾患(心房中隔欠損症・心室中隔欠損症など)、肺塞栓症、大動脈疾患(大動脈瘤・大動脈解離など)

腹部超音波検査

<検査の目的>

腹部臓器・泌尿器臓器を直接観察することで、消化器疾患や腎・泌尿器疾患を発見する。

<検査方法>

腹部を出してもらい寝てもらう。腹部に超音波を当てて腹部臓器を観察する。消化器領域では肝臓・胆嚢・総胆管・膵臓・腹部大動脈・消化管・脾臓を観察する。腎・泌尿器領域では腎臓・尿管・膀胱・子宮・前立腺を観察する。

<検査でわかること>

肝疾患(肝炎・肝硬変・肝癌・肝血管腫など)、胆嚢疾患(胆嚢炎・ポリープ・胆石など)、総胆管疾患(胆管内結石・胆管癌など)、膵臓疾患(膵炎、粘液性腫瘍、膵癌など)、大動脈疾患(腹部大動脈瘤など)、消化管疾患(感染性腸炎など)、脾臓疾患(脾腫・脾嚢胞など)、腎臓疾患(腎結石・腎嚢胞・腎臓癌など)、尿管疾患(尿管結石など)、膀胱疾患(膀胱癌・神経内因性膀胱など)、子宮疾患(子宮筋腫など)、前立腺疾患(前立腺肥大・前立腺癌など)

腎動脈超音波検査

<検査の目的>

腎臓の動脈の狭窄がないか見ることで、腎動脈狭窄による二次性高血圧の有無を調べる。

<検査方法>

腹部を出してもらい、仰臥位で寝てもらう。腹部に超音波を当てて腎臓と腎動脈を観察する。腹部大動脈の血流速度と腎動脈の血流速度の比を取ることで、腎動脈の狭窄がないか判定する。また、腎臓内の葉間動脈の血流速度を測ることで、腎疾患がないかを見る。

<検査でわかること>

腎動脈狭窄による二次性高血圧、腎不全

下肢動脈超音波検査

<検査の目的>

下肢の動脈の狭窄・閉塞の有無を調べる。

<検査方法>

下肢を出してもらい、仰臥位で寝てもらう。下肢に超音波を当てて下肢動脈を観察する。下肢動脈内に血栓がないか観察し、血流が早くなる狭窄部位や、血流が途絶する閉塞部位がないか判別する。

<検査でわかること>

動脈硬化、下肢動脈内血栓症

下肢静脈超音波検査

<検査の目的>

下肢静脈の血栓症がないか、静脈弁不全がないか調べる。

<検査方法>

下肢を出してもらい、仰臥位で寝てもらう。下肢に超音波を当てて下肢静脈を観察する。下肢静脈内に血栓がないか観察したり、静脈弁不全による逆流血がないか観察する。

<検査でわかること>

下肢静脈内血栓症、下肢静脈瘤の原因、下肢むくみの原因

頸動脈超音波検査

<検査の目的>

頸部動脈の狭窄・閉塞の有無を調べる。

<検査方法>

頸部を出してもらい、仰臥位で寝てもらう。頸部に超音波を当てて頸動脈を観察する。頸動脈内に血栓がないか観察し、血流が早くなる狭窄部位や、血流が途絶する閉塞部位がないか判別する。

<検査でわかること>

動脈硬化、頸動脈内血栓症

甲状腺超音波検査

<検査の目的>

甲状腺の疾患や形態異常を調べる。

<検査方法>

頸部を出してもらい、仰臥位で寝てもらう。頸部に超音波を当てて甲状腺を観察する。甲状腺の大きさや血流を観察する。また、内部の性状や腫瘤性病変の有無を観察する。

<検査でわかること>

甲状腺内分泌疾患(バセドウ病・橋本病など)、甲状腺腫瘍

最後に

ここまで一気に書いて、エコー検査はたくさんあるということを改めて実感しました。

エコーって体の全身を見ることができるんですね~。上記に挙げた他にも、体表や上肢の血管、耳下腺や顎下腺などの腺組織、精巣などエコー検査の範囲はあらゆる部位にわたります。

エコーの原理や各測定法など、話したいことは多々ありますが、エコーは極めるほどマニアックな世界になっていきます。心臓だけでなく、他の領域の勉強もがんばります(*´ω`*)

2025.9.28 koguma

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