生理検査の紹介 ~心電図編~

お仕事

こんにちは!

久しぶりの投稿になってしましました。これから何回かに分けて私のお仕事「臨床検査技師」が携わる検査について紹介します。

検査業務は採血検査、尿検査、細菌検査など各分野にわたりますが、私は「生理検査部門」に所属しています!

生理検査でもたくさんの検査項目があるので、その項目を紹介していきます(^▽^)/ 今日は心電図編☆

12誘導心電図

<検査の目的

心臓の電気信号を記録することで心疾患の有無を判断する。

<検査方法>

両手首足首に4つ、胸部に6つの計10個の電極を直接付けて、仰臥位安静で記録する。所要時間は5分ほど。

<検査でわかること>

不整脈、心筋梗塞などの虚血性心疾患、電解質(Na,Ca,Kなどの血液成分)異常、心臓の肥大や拡大など

運動負荷心電図

<検査の目的>

一定の運動をすることで心臓に負荷を与え、運動前後での心電図変化を調べる。

<検査方法>

12誘導心電図を安静時で記録し、その後一定の運動を行う。運動後の心電図を経時的に記録する。所要時間は15分~30分程度。

運動負荷は年齢や体力に合わせて決められ、3分間の階段昇降を行うマスター法・角度と速さが変わるルームランナーのような器具の上を走るトレッドミル法・自転車のペダルを漕ぐエルゴメーター法がある。

<検査でわかること>

労作性狭心症(運動負荷により心臓が一過的に虚血になる)、運動耐容能

ホルター心電図

<検査の目的>

長時間心電図を記録することで、日常生活の中での心電図変化を記録する。めまいがしていた時に脈が遅くなっている、動悸を感じた時に不整脈が出ているなどの、日常での波形を捉えることができる。

<検査方法>

胸部に4か所電極を付け、小型の記録装置を体幹部に装着する。機械の取り付け時間は5分程度、記録時間は24時間、数日、1週間など医師の指示による。

検査中は日常生活が可能だが、汗で電極がずれたりしないように激しい運動やサウナは不可。また、心電図波形にノイズが入らないように電気毛布やマッサージ器の使用は不可。機器が防水対応の物であれば入浴は可能。

<検査でわかること>

一過性の不整脈、一過性の虚血性心疾患

加算平均心電図

<検査の目的>

心電図波形を加算平均することで微小な電位を検出する。微小電位が存在することで、不整脈の原因となる疾患を発見できる。

<検査方法>

12誘導心電図を数百拍記録し、加算平均する。所要時間は15分ほど。波形ノイズが多いと検査不可な場合がある。

<検査でわかること>

重篤な不整脈(心室細動、心室頻拍など)を引き起こす原因となる心疾患の有無、ブルガダ症候群、ICD(不整脈を止める体内埋め込み式機器)の適応

最後に

入院するとモニターで心電図を見ることがあると思いますが、上記のように心電図検査は他にも種類があります。心電図は心臓を直接見るというよりは、電気信号を見ていますが、それだけで心臓の疾患を見つけることができます。また、痛みはなく簡便な検査であり、検査費も安いです。

検査技師でも、認定心電技師や心電図検定の認定資格を取得して働いている技師は多数います。基本の12誘導心電図は健診でもほぼ必ず記録すると思うので、何か不明点があれば技師に聞いてみてくださいね!

次回は超音波検査編です~✋

2025.9.28 koguma

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